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企業事例

2020/01/30

全員参加の経営会議が現場主体のマインド イノベーションを生み、業績を創る。

学べるポイント

創業51年、現在10拠点の事業所を中心に、大手食品メーカーをはじめ多くの荷主からの厚い信頼を得続けている。お客様・従業員から必要とされる組織づくりの原動力は、過去・現在・未来を共有する全員自主参加の経営会議にあった。

株式会社宮田運輸
常務取締役 宮田 哲治 氏
業務管理部長 橋本 博志 氏
http://www.miyata-unyu.co.jp/

宮田運輸さんでは、「こどもミュージアムプロジェクト」をはじめ、様々な取り組みをされていますが、イノベーションという観点ではどのようなことをされていますか?

社員のマインドイノベーションになっているのかわかりませんが、私たちは毎月1回日曜日に「みらい会議」という全社会議をしています。

「みらい会議」への念いや、はじめられたきっかけはどのようなものでしたか?

もともとは業績報告などの幹部会議をやっていたんですが、幹部やからとか幹部やないからとかいうのも取っ払って全員が共有できるものにしよう。これからは全員経営の時代だということで全員自主参加にしました。そして名称も「みらい会議」に変えてスタートしたのが3年くらい前です。
 毎月日曜日に行うのですが、給料も発生しないし、事業所が遠方の人もいてるので、最初は人数が少なかったです。そんな中、パレットの清掃作業をしてもらっていた取引業者さんが工場移転で閉鎖するので、従業員さんを雇って欲しいということになり当社で引き取ったのですが、月間目標3万枚のパレットを洗わないと採算が合わない、それが全然目標に達していない状況が続いていたので、現状を知ってもらおうと「みらい会議」の参加を呼びかけました。すると60歳のベテラン女性社員さんが参加してくれたんです。そこでうちの社風に触れて、感じるものがあったようで「これ目標達成、全然してないやん。私、明日の朝礼で皆に言うわ」って、その女性社員さんに火がつき、それが現場に一気に伝播し、みんなが率先して動くようになり、その月にいきなり目標達成したんです!
 現場の人たちがやる気を出すには現状を知って、理解してもらうことが大切なんだと学びました。現場の人は数字や利益構造を知らないんですよね。みんな本当は自分たちの仕事が会社でどのようになっているかを知りたかったんですよ。それと社長や幹部の人たちの話が直接聴けることで、共感できるところがたくさんあり、また数字が共有できたことも大きかったと思います。その女性社員さんは今現在も「みらい会議」に積極的に参加してくれています。

宮田常務や橋本部長が日創研や北大阪で学び続けることで、社員さんに変化はありましたか?

かなり変わってきています。「みらい会議」などで発信する言葉が変わってきています。私たちが学び続けることで確実に仕事の質が高まってきています。
 経営者の皆さんが実際やってきた生の声を聴くことが勉強になりますし、経営者として従業員さんに話す言葉を、北大阪の理事会や例会で皆さんが使っている言葉をそのまま真似させてもらったりしています。
 自分なりの言葉だと100伝えたいことが10しか伝わらないところが、北大阪の皆さんのような言葉を参考にすると50くらいは伝わります。品が有るか無いか、尊重して言えてるかどうかということを考えながら使わせてもらっているので勉強になっています。
 会員の橋本さんがよく言われるように「学んだだけじゃあかん」。自分たちは北大阪を通して学んだことをアウトプットしながら、社員さんに伝わる言葉を身に付け会社で実践する。そして社員さんを尊重し、可能性を信じて、しっかりと会社の方向性を伝えて行き、社員さんのマインドをイノベーションすることが経営者としての仕事だと確信しています。